【体験談シリーズ①】由良川編『幻の魚体、銀色の閃光』

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思い出のリバーシーバス釣行記 vol.1

京都府 BORAさん ― 由良川編

『幻の魚体、銀色の閃光』

RIVERIST「思い出のリバーシーバス釣行記」募集ページのアンケートフォームをもとに編集した当サイト運営BORAの体験談です。
感情の流れや情景が浮かぶようにストーリーとして再構成しました。どうぞお楽しみください。

第一章:挑戦の背景

由良川。
京都を流れるその川は、時に優しく、時に残酷だ。
そしてBORAにとっては、ただの釣り場ではなかった。

職場のリバーシーバスサークル。
仲間内で自然と始まったのは、“誰が一番大きなシーバスを釣るか”という静かで熱い競争だった。

仲間たちは次々と80cmオーバーを釣り上げ、SNSに誇らしげに写真を上げていく。
そんな中、自分だけは77cmで止まっていた。
届きそうで届かない。
焦りと悔しさ、そして少しのあきらめが胸の奥に積もっていた。

「もう一生、ランカーなんて釣れないんじゃないか…」

しかもここは、由良川。
個体数が少なく、釣るのが難しいことで有名な川。
それでもBORAはこの川をホームと決め、何度も足を運んでいた。

第二章:運命の一日

2022年10月12日。
朝8時、上流の“青い橋”の近くに立っていた。

曇り空。雨は降らない。
静かな水面に、期待と不安が滲む。
川は黙して語らない。

歩幅で測るように、3歩ずつ横へ移動しながら、200mにわたるオカッパリの端から端までキャストを繰り返す。

そして、中ほどまで来たところで1本目。

60cm。
嬉しい。でも、まだ届かない。

その後、もう一度アタリはあったが、乗らない。
気配が消えた。
BORAは、30分ほどポイントを休ませることにした。

再び竿を握ったのは午前10時過ぎ。
2投目だった。

「ん?」

次の瞬間、ロッドに衝撃が走る。
重い。
巻いても、巻いても、動かない。

「これ…今までの引きと違う…」

魚は底に潜ろうとする。ラインが切れそうだ。
強い。止まらない。
時が止まったような15分間の格闘。

そして、ついに見えた――銀色の魚体。

「メーター…来たか!?やばい…やばいっ!!」

心が叫ぶ。
脳が真っ白になる。
ウェーダーなんて履いていなかった。
でも、もうそんなことはどうでもよかった。

BORAは川に入った。
水をかきわけ、震える両手で、その魚を――つかんだ。

第三章:歓喜と余韻

シーバス、91cm。

ランディングも、サイズ測定も後回し。
すぐに師匠に電話をかけた。

「サイズ、期待してください!」

その言葉が、胸の奥にずっとあった想いを表していた。

その後、グループLINEに写真を送ると、仲間たちから次々と祝福のメッセージが届いた。
「おめでとう!」「やったな!」
スマホの画面が涙でにじんだ。

この川で、ついに自分も、仲間と肩を並べられた。
あの幻のような魚体は、きっと一生忘れない。


使用タックル&ルアー

  • ロッド:アブガルシア ソルティースタイル STSS-962M-KR
  • リール:シマノ 18エクスセンス CI4+ C3000M
  • ルアー:コアマン VJ-28 シャローベイト

釣果

  • シーバス 60cm
  • シーバス 91cm(ランカー)

奇跡の一枚


編集後記

BORAさんが掴んだ91cmのランカーは、何度も通い続けた努力と諦めなかった心の結晶です。
仲間と肩を並べたいという思いが、ついに結果として形になりました。

由良川は個体数が少なく、厳しいフィールドとして知られています。
だからこそ、この魚体には一生忘れられない価値があります。

そして私たちが学べるのは――“信じて竿を振り続けること”の大切さ。
BORAさんの物語は、同じ川に挑むすべての釣り人に勇気を与えてくれるでしょう。

BORAさん、素晴らしい体験と感動をシェアしていただき、本当にありがとうございました。

RIVERISTからのひとこと

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